不妊治療には漢方薬もおすすめです

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不妊治療はなかなかゴールの見えない治療です。薬を飲んだり、妊娠しにくい生活習慣を改善したりと辛い治療ですが、選択肢として漢方薬というのもあります。

漢方薬は一般的に副作用も出にくく、自然なものを使用しているので体への負担も軽いという特徴があります。

漢方薬は東洋医学として医学的に理論構築されたものであり、薬で症状を抑え込むという対症療法ではなく、個人の体質に合わせて体質改善をするという目的があります。

ここでは、西洋医学的なアプローチではなく東洋医学の漢方薬による不妊体質改善を目指している、妊活中に疑問に思いやすいものをまとめてみました。

漢方薬と西洋医学の違い

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まず、実際の漢方薬をおすすめする前に、きちんと漢方薬がどういうものなのか?っていうことを紹介したいと思います。

漢方薬とは、そもそも伝統中国医学からはじまり、その後日本独自で発展を遂げた漢方医学に基づいた医薬品です。

漢方薬の処方には、様々な生薬が組み合わせられ、大元の原料になる生薬が質の良いものでなければ効果が正しく発揮できないとされるほど生薬が肝心なものです。

生薬は、天然の植物や動物、鉱物から出来ていて、そのままで利用するものと、乾燥して砕いたり、加熱したりという加工を施して利用する場合があります。

一方、西洋医学とは、欧米で発展した医学を指します。
ヨーロッパやアラビア等の西洋には、中国医学である東洋医学とは考えの異なる伝統医学があるのです。

漢方と西洋医学の主な違いは、病気に対する注目点の違いです。

西洋医学は『病気の症状』に注目するのに対し、漢方では『病気の原因』が注目されます。

西洋医学は、症状に対し即効性のある薬で対処し改善しようとするものであり、漢方薬を用いた治療は、症状が自然に元に戻るように体質に合わせ身体全体から調整し改善していくという考えのものです。

そしてまた、不妊に関しても漢方薬によって体質改善が見込めるものなのです。
西洋医学での不妊治療は、一般検査として血液検査・尿検査・超音波・ヒューナーテスト・卵管造営検査・子宮鏡などとなりますが、西洋医学で原因のわからない結果の出にくい不妊症をフォローできるのが漢方薬での治療法です。

漢方薬のメリットとデメリット!

漢方薬のメリットは、天然成分が原料の生薬からできており、全身から局所までに働きかけ、本来人が持っている自然治癒力から改善してくれるという身体に優しいものです。

要は、病気そのものを体質を改善することによって克服できるというところにあります。

もう一つは、漢方薬は副作用のリスクが少ないということです。

漢方薬も薬ですので、副作用が全くないということはありません。
ですが危険とされるものは使用されなくなっていますし、西洋薬に比べますと副作用は強くありません。

漢方薬のメリットとしてはこのように体に優しく、体質を改善できるというコンセプトがありますので、妊活中や妊娠中にも継続して飲めるものがあるということが挙げられます。

しかし、漢方薬も良いことばかりではありません。
漢方薬のデメリットとしてあげられるのは、即効性が乏しい点です。

漢方薬は、体質を改善するために治療を行いますが、即効性がないので長い目を持って毎日続けながらゆっくりと体質改善していくものだという認識が必要です。

またデメリットとしては味の問題があります。漢方薬は生薬を基にしていますので不味いものが多く、苦く飲みにくいというデメリットもあります。良薬口に苦しですね!

西洋医学の薬は、様々な形態があります。錠剤、粉薬、座薬、液状シロップなど、人に応じて飲みやすい薬を選ぶことができます。
また西洋医学は即効性のあるものが多いです。これは漢方薬の大本となっている体質を改善するということではなく、症状を改善するということが目的にあるので即効性があります。

こんな感じで漢方薬と西洋医学はメリットとデメリットが裏返しになっています。

不妊に効果のある漢方薬

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では、漢方薬がどのようなものか。メリットとデメリットについてご理解いただけたところで、実際に不妊のための漢方薬を紹介したいと思います。

漢方薬は、先天的な体質改善はできませんが、後天的なものの体質改善をし体を丈夫に整えることができます。
妊娠を果たすには、受け皿になる女性の身体に何らかの問題があると、西洋医学での不妊治療である例えば人口受精を施したところで着床はできません。

妊娠が可能となる身体に改善してあげることが大切なのです。

体内の血液量が少ない『血虚』(けっきょ)、血液の流れが悪化している『?血』(おけつ)、消化器系がうまく働かず栄養を体内に取り込むことができない『気虚』(ききょ)などなど、体内の悪い箇所を当てはめ漢方薬で改善することで妊娠しやすい身体を作ります。

貧血、頭痛、腰痛、冷え性、肥満、痩せすぎ、イライラ、不眠、食欲減退、うつなどの症状が出ている方は身体がサインを出しているということですので当てはまる漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。

○血が少なくなる「血虚」に効く漢方薬

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立ちくらみ、めまい、貧血、顔色が悪い、眼精疲労、月経量の少なさというような血液が少なくなっている状態を「血虚」といいます。

血虚の状態になると、子宮内膜が薄くなり、着床率がダウンしたり着床後の定着率がダウンしたりする可能性があり、不妊には影響の大きい状態になります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)・参茸補血丸(さんじょうほけつがん)は、食生活に偏食などの問題がある場合、疲労やストレス、冷えなどの原因で血液の栄養不足が懸念される状態に有効とされます。

○身体のエネルギー(気)不足である「気虚」に効く漢方薬

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食事の偏りや、過労、激しい運動、間違ったダイエットなどが原因で「気虚」という状況になる可能性があります。

気虚はその名のとおり、体にエネルギーが不足している状態で、栄養が不足していたり消化吸収能力が低下している場合があります。

不妊不育症にもつながる状態なのですが、消化吸収能力が低下しているのでエネルギーのあるものを食べてもうまく吸収できずにエネルギーが不足したままとなりますので根本的な体質改善をする必要があります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)が、疲れやすさ、倦怠感、不正出血、胃もたれ、下痢などの症状に有効とされます。

○血が滞っている「お血」に効く漢方薬

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冷え、運動不足、ストレスなどが原因で「お血」と呼ばれる、血の巡りが悪い状態に陥る場合があります。

ドロドロ血という言葉は比較的最近聞く言葉なのですが、実は東洋医学では何千年も前から血液のドロドロについては把握されていて、様々な漢方薬があります。

血がドロドロになることで、不妊には大敵の冷えにも繋がり、骨盤内の血液のめぐりが悪いので卵巣機能にも影響がある怖い状態です。

漢方薬は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が、肩こり、頭痛、目のくま、生理痛、生理不順、レバー状の月経などのお血症状に有効とされます。

○気の滞りである「気滞(きたい)」に効く漢方薬

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ストレスなどで身体のめぐりが悪く自律神経のコントロールができなくなるなどの、気の滞りが起こっている状態を「気滞」と言います。

ストレスに弱いタイプの方に多くみられる状態で、高プロラクチン血症にもつながる可能性があります。
高プロラクチン血症はプロラクチンというホルモンが基準値以上に高くなってしまう症状で、無月経や排卵障害に繋がってしまいます。

もちろんこの状態になったら病院へ行く必要がありますが、そうならないためにも漢方薬を飲むことで体質改善を見込みましょう。
逍遙丸(しょうようがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、香蘇散(こうそさん)が、イライラ、情緒不安、憂鬱感、乳房の張りなどの症状に有効とされます。

○腎の機能が弱まる「腎虚(じんきょ)」に効く漢方薬

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「腎」は漢方薬の世界では生命の源ともいわれています。
「腎虚」はその源が弱ってしまっている状態です。一般的には老化現象とも言われるような手足のむくみやしびれが出たり、体がだるくなったりします。

運動不足や冷たい水を飲むとこの状態になってしまい、生殖器の元気がなくなってしまい不妊に繋がる可能性があります。

六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、参馬補腎丸(じんばほじんがん)、耳鳴丸(じめいがん)が、腎と呼ばれる膀胱、骨、歯、耳などの生命力を蓄える場所の機能低下を改善し、頻尿、残尿感、精力減退、耳鳴り、足腰のだるさなどの症状に有効とされます。

具体的な漢方薬のまとめ

漢方薬は体質により効果には個人差があります。
症状も一つに限ったものではありませんので、まずは漢方医に相談をして適切な漢方薬を選んでもらいましょう。
不妊に悩んでいること自体がストレスを生んでいます。
そのストレスがさらに症状を悪化させる可能性もありますので、早めの相談が良いでしょう。

漢方薬はどこで買えるの?

漢方薬は医薬品であるため、購入するためには医療機関からか、薬局でということになります。

どちらの場合も妊娠という赤ちゃんへの影響への不安を感じる状態なのできちんと自身の症状や体質を医師や薬剤師に説明することが大切です。

薬局やドラッグストアで簡単に購入できる漢方薬は、一般的な症状に効くように漢方処方されたものです。

漢方薬局では、症状に合わせて数種類の生薬の調合がなされ、いわばオリジナルのオーダーメイドの漢方薬を処方してくれるものです。
漢方薬はそもそもがその人の状態を見極めてしっかりと体質を改善するということがそもそもの考え方です。
なので、薬局で自己判断で購入するよりも、漢方薬局か問診などがきちんとなされる医療機関での購入をおすすめします。

お金はどのくらいかかるの?

漢方薬局などで購入する場合一概には言えませんが、一般的に1ヶ月分で10000円から15000円でしょう。

1日当たり300円から500円程になります。

ただしその人それぞれの症状から、漢方薬の調合に差があるため値段は違いますので、これ以上に高額になる場合もあります。
薬剤師からの説明を受けたうえで納得して購入するようにしましょう。

保険適用について

漢方薬も医療の一環なので保険が適用される場合があります。

医療保険を使って処方してもらうには、医療機関での受診が必要となります。
不妊治療で診察を受けている病院があるのであれば、漢方薬の処方が可能かどうか確認してみましょう。

病院で漢方薬の処方を考える場合、必ずしも医師が漢方薬に詳しいわけではないということも考えられますので、その点も頭に入れておきましょう。

一方で、薬局や薬店で購入する場合は保険適用はされません。
その理由としては、漢方薬に適用される病名がない限り医療保険を使って処方できないという制限があるためです。

医療費控除は受けられるの??

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医療費控除とは、1年間に生計が同じ家族全員の医療費や医薬部外品の合計が10万円以上で還付が受けられるというものです。

健康保険の適用がないような、ドラッグストアや漢方薬局などで購入した漢方薬にも適用されます。

医療費控除を受けるためには年度末に確定申告を行う必要があります。
確定申告の際、必要となりますので漢方薬購入の際に発行された領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。

漢方薬はけして安価なものではありませんから、年間を通せば10万円は超えるものです。
必ず申請して医療費控除を受けてくださいね。

確定申告は一般的には難しいと思われがちですが、今では自動的に確定申告の書類を作成してくれるクラウド会計サービスも充実しています。
簡単に確定申告ができますので、妊娠中の方は一度検討してみてはいかがでしょうか?