妊婦ってステロイドを使ってもいいの??

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妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんへの影響があるので、使える薬も限られてきます。
また、薬によっては使うのをストップしても、体の中に蓄積されてしまうものもあったりで、妊活中の女性も使ってもいいのか迷う薬があると思います。

今回は、アトピーなどの症状に対してよく使われるステロイドは使っても大丈夫なのかどうかについて解説していきます。

ステロイドは妊婦でも使えます※ただしお医者さんと要相談です

まず、結論から言ってしまうと「ステロイド薬は妊婦でも使えるものがあります。」

少しぼやかして書いてしまっているのですが、ご存知かもしれませんがステロイド薬にも強さがあります。
1~5までの段階で強さがあるのですが、その中でもお医者さんによってどこまではOKという段階を踏んでいる方もおられるためです。

あくまでも目安ですが、主要なステロイド薬と、強さの一覧を紹介させていただきます。

ランク/強さ 主なステロイド薬 使用方法
Ⅰ/
strongest
  • デルモベート軟膏(日本グラクソ)
  • ジフラール軟膏(アステラス製薬)
  • ダイアコート軟膏(ファイザー)
最も体に吸収されやすいので主に吸収しずらい手の平や足の裏に処方されることが多いです。
連続して使うときは、大人で1週間以内が目安です。
Ⅱ/
very strong
  • リンデロンDP軟膏(塩野義製薬)
  • マイザー軟膏(田辺三菱製薬)
  • ネリゾナ軟膏(バイエル薬品)
  • フルメタ軟膏(塩野義製薬)
  • トプシム軟膏(田辺三菱製薬)
  • パンデル軟膏(大正富山医薬品)
  • テクスメテン軟膏(佐藤製薬)
  • アンテベート軟(鳥居薬品)
  • ビスダーム軟膏(テイコクメディックス)
  • シマロン軟膏(日医工)
大人であれば体幹部へ使用する場合が多いです。
連続使用は1週間以内が目安です。
Ⅲ/
storong
  • リンデロンVG軟膏(塩野義製薬)
  • リドメックスコーワ軟膏(興和)
  • プロパデルム軟膏(協和醗酵工業)
  • ボアラ軟膏(マルホ)
  • メサデルム軟膏(大鵬薬品)
全身に使いますが、どちらかというと体幹部への処方が多い。
2週間程度の連続使用が目安。
Ⅳ/
medium
  • ロコイド軟膏(鳥居薬品)
  • キンダベート軟膏(グラクソ・スミスクライン)
  • レダコート軟膏(アルフレッサファーマ)
  • アルメタ軟膏(塩野義製薬)
  • ケナログ軟膏(ブリストル・マイヤーズ)
  • グリメサゾン軟膏(第一三共)
大人だけでなく子供にも処方されます。吸収しやすい顔、全身に処方されます。
2週間程度の連続使用。
Ⅴ/
weak
  • オイラックスHクリーム(ノバルティスファーマ)
  • プレドニン眼軟膏(塩野義製薬)
  • エキザルベ軟膏(マルホ)
吸収されにくい成分を使っていますが、含まれているステロイドは多め。
お尻やデリケートゾーンなどの吸収されやすい箇所にも使われます

妊婦さんには一番強いステロイド薬ではなく、1ランク落としたステロイド薬が使われることが多いですね。

なぜステロイド薬は妊婦でも使えるのかというと、皮膚から吸収した成分がおなかの中の赤ちゃんにまで到達することが少ないからなんです。

そもそもステロイドって、副腎(腎臓の上にある臓器)から出る副腎皮質ホルモンの一つで、体内で生成される副腎皮質ホルモンのほうが皮膚から吸収されるステロイドの量のほうが多いです。

皮膚から吸収される割合は口から吸収される割合に比べて非常に少ないということもあります。

塗るときは塗る!塗らないときは塗らない

ステロイドとのうまい付き合い方は「お医者さんの指示にしっかりと従うこと」です。

ステロイドってなんだか怖いし、ちょっとよくなってきたから使うのをやめよう・・・。
となるのが一番最悪なパターンです。

ちょっと良くなってきても、まだ炎症が残っていてステロイドをやめてしばらくすると再発して、また塗り始めて結局ステロイドを使っている期間が長くなるという状況に陥ってしまいます。

ステロイドはしっかり定められた期間塗って、短期間で治してしまって後は使わないという使い方がベスト。

変に不安がって全く塗らないで日々かゆみと戦って夜も眠れないというほうが赤ちゃんにとっても厳しい環境になってしまいます。

ステロイドを塗るときに妊婦が気を付けるべき3つのポイント!

ステロイドの塗り薬は妊婦さんでも使っても大丈夫なのですが、念のため気を付けたほうがいいポイントが2つあります。

・塗った後は手を洗う

塗った後はきちんと手を洗いましょう。
ステロイドを塗ると、アレルギーは抑えてくれるのですが同時に、皮膚の細胞増殖を止めてしまうというデメリットもあります。

細胞増殖を止めてしまうと、皮膚が薄くなって毛細血管が見えてくる状態になってしまいます。

ステロイドは手で塗るので、知らないうちに指先や手のひらなどにステロイドが連用されている状況になるんですね。

といっても、手のひらから吸収されやすいというわけではなく、手についているステロイドを食べるときなんかに口から吸収されてしまう場合があるので注意するレベルのお話しです。

手にステロイドを塗っている人は、洗ってしまうとステロイド薬も流れてしまいますので、口に入らないように気を付けるだけでOKです。

・デリケートな部分は塗らない

デリケートな部分に塗るのは少し注意してください。
実は皮膚によってステロイドの吸収率が異なります。

特に粘膜などのデリケートな部分は吸収率が高くて、反対に手のひらや足の裏からは吸収率が低いです。

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こちらが体の部位別の吸収率の違いです。前腕の外側を基準に、吸収率が記載されています。

一番吸収率がいいところだと陰嚢部で42倍、アトピーでよく塗る箇所の顔だと13倍の吸収率になっています。

粘膜に塗る場合は、一ランク弱いステロイドを使うなど、注意が必要なので自分だけで判断して使わずにお医者さんに相談してくださいね。

適切な塗り方

あまり親切ではないお医者さんの場合、ステロイドの塗り方を教えてもらえない場合もあります。

塗りすぎたり、少なすぎるとステロイドのメリットを生かせない場合がありますので、適切な塗り方を紹介しますね。

塗る量は「FTU(フィンガーチップユニット)」と呼ばれる単位が基準になります。

横文字で難しそうに見えますが、「指先から第一関節まで」が1FTUになります。簡単ですよね。

1FTUで約0.5gに相当します。(チューブの穴の直径が5mm程度の場合)
ローションタイプの場合は、1円玉より気持ち大き目が1FTUと覚えておいてください。

おおよその目安ですが1FTUで大人の手のひら二つ分の面積をカバーするのが適切な量です。
ただし、部位によって吸収率が異なるので、紹介しますね!

顔&首 両腕 両足 胴体(前面) 胴体(背面) 全身
FTP 2.5 8 16 7 7 40.5
g 1.25 4 8 3.5 3.5 20.35

参考:マルホ株式会社「外用薬の上手な使い方」

これは単純なステロイド薬の使用量です。あらかじめ薬局で保湿剤と混ぜてある場合は量が多めになる場合があります。

薬を受け取るときに念のため薬剤師さんに確認しておくことをお勧めします。

ステロイドだけに頼るのではなくきちんとしたスキンケアをしましょう

妊娠中は体の免疫が落ちてしまうので、普段よりもアトピーなどのアレルギー症状が強く出てしまいます。
ステロイドを使うのはもちろん大切なのですが、普段から保湿ケアなどのスキンケアをしておきましょう。

不安な時はいつでもお医者さんに相談を

ステロイドは正しく使うことで、妊娠中のかゆみなどのストレスをコントロールできます。

妊娠中にもステロイド薬は使うことができますが、ステロイドは強い効果を持つのは忘れないでください。
気にしすぎるのも逆に負担になってしまうので、困ったことがあれば気軽に病院へ相談してくださいね。