私たちの体は葉酸を溜めることができません

葉酸は水溶性ビタミンB群の一種です。
水溶性とは水に溶けやすいという性質を持っています。

身体に吸収されなかった分は尿で排泄されてしまい、葉酸を体内に溜めておくことはできません。

ですから、葉酸は毎日の摂取を意識的に心掛ける必要があるのです。

葉酸欠乏症の原因

私たちの身体は葉酸が不足すると身体には様々な不調が起きてきます。
身体にとって重要な働きを持つ葉酸が不足状態に陥る原因は何なのでしょう。

アルコールの過剰摂取

アルコールをたくさん飲んだ場合、二日酔いになります。
原因となるのは体内に入ったアルコールを分解する際にできるアセトアルデヒドという物質です。

アセトアルデヒドは、吐き気や呼吸の促進、そして発癌性のある物質としてアルコール自体が及ぼす生体反応より強い反応を起こす物質で、体内の葉酸をも壊してしまう有害物質なのです。

よくお酒を飲むという生活習慣の方は葉酸欠乏に陥りやすいので注意が必要です。

食事の偏り

外食やインスタント食品が中心の食事をしている場合、どうしても野菜が不足する生活になってしまいます。
葉酸は、緑黄色野菜に多く含まれているので、お肉ばかりに偏った野菜不足の食生活では葉酸が不足するのです。

葉酸の吸収を阻害するピル

避妊の目的や、生理周期の安定のため、生理痛の緩和のために服用する経口避妊薬、いわゆるピルや頭痛薬に含まれる解熱鎮痛剤アスピリンは腸での葉酸の吸収を阻害する作用を持っています。

葉酸の吸収を阻害する食品

葉酸サプリで葉酸を摂取しても葉酸の働きや吸収を阻害してしまう食品があります。
キャベツ、オレンジ、インゲン豆、レンズ豆がその食品としてあげられます。
せっかく葉酸を摂取しても身体に吸収されずに排泄されてしまうので、ぜひこれらの食品を覚えておきましょう。

葉酸が不足して起こる病気

身体に葉酸が不足すると、不調から始まり様々な病気が起きてしまいます。
これは妊婦さんだけに当てはまることではありませんので注意しましょうね。

では、葉酸不足で起こりえる病気をご紹介します。

悪性貧血

貧血は鉄分が不足して起こる鉄欠乏症貧血が多いものですが、葉酸が不足しても貧血が起きてしまいます。

葉酸には造血作用があるため葉酸が不足すると正常な赤血球が作り出されなくなります。
すると、通常よりも大きな赤血球ができてしまうのです。

赤血球は本来、血液とともに体内に酸素を送る働きをしていますが、通常よりも大きな赤血球はその働きができなくなります。
こうなってしまうと、身体に酸素が行き渡らない貧血症状に陥ってしまいます。

葉酸が不足することで起こる貧血のことを巨赤芽球性貧血といい、悪性貧血といわれます。

立ちくらみが起きたり、めまいや頭痛、息切れなどが巨赤芽球性貧血の症状です。

自覚症状として下痢、舌炎、体重の減少、うつ症状があります。
このような症状からはじまり、貧血気味だと感じる方は巨赤芽球性貧血を疑ってください。

巨赤芽球性貧血は、放置しておくと大きな病気につながる可能性があります。

葉酸の欠乏によってアミノ酸の一種であるホモシステインの血中濃度が上がり、血液凝固因子や血管内皮細胞に影響を与えてしまうことで動脈硬化の可能性が高くなりますので注意が必要です。

認知症

葉酸とビタミンB12の不足により認知症の発症につながることがわかってきています。

これは、葉酸の不足によって脳の細胞の生成がうまくいかなくなり、脳の神経細胞を健全な状態に保てなくなることによるものです。

葉酸の欠乏によってアミノ酸の一種ホモシステインの血中濃度が高くなることは前述しましたが、ホモシステインが高い値を示すとアルツハイマー病を発症するという報告があります。

ホモシステイン値が上昇すると酸化ストレスが増加し有棘赤血球が増加してしまい、脳の血行が悪化することからアルツハイマー病の発症につながるというものです。

酸化ストレスとは、身体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れてしまい、酸化反応の方に傾いてしまい身体にとって良くない状態のことをいいます。

葉酸が不足している状態ではホモシステイン値の上昇は抑えらていない状況に陥るというわけです。

認知症には様々なタイプがありますので、葉酸が全ての認知症の予防につながるとはいえません。
でも、脳細胞が破壊しているものや脳神経細胞が正常でない場合の認知症には発症のリスクを抑えることができるわけですから葉酸摂取はやはり重要ですね。

脳の神経細胞の異常で発症する認知症には、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症があります。

胎児に与える影響

妊婦の葉酸不足というのは、母体への影響より胎児への影響が大きいです。

葉酸は胎児の形成に必要な栄養素ですが、胎児の細胞分裂が盛んになる妊娠初期に葉酸が不足していると胎児へ悪影響が及ぶ確率が高くなります。

その一つに神経管閉鎖障害があります。

葉酸が足りていない場合、妊娠初期の胎児の脊椎の細胞分裂の際に支障をきたし脊椎がうまくくっつくことができず、生まれた赤ちゃんに障害が出てしまうものです。

脊椎の下部での異常であれば、赤ちゃんの下肢の麻痺などの障害となって現れ、脊椎の上部で神経管がくっつかないという異常が起きると胎児の無脳症が発症されてしまいます。

無脳症とは脳の一部や大部分が欠如している障害です。

葉酸の摂取によってこのような先天性異常を100%防ぐことができるわけではありませんが、胎児にこのような障害を発症させないようその予防のために葉酸の摂取はたいへん重要です。

葉酸を摂取することによって赤ちゃんの先天性異常のリスクを減らすことができることはわかっていることであり厚生労働省でも葉酸の摂取を推奨しています。

【参考ページ】葉酸はなんで妊娠初期に大切なの?障害を防げるの?

葉酸不足を解消する方法

葉酸不足を解消するには、自らが葉酸の摂取を積極的に行うことしかありません。

葉酸を多く含む食品はたくさんありますが、葉酸は水溶性のビタミンB群であるため水や熱に弱く調理の段階で栄養素が半減してしまいます。

ですから毎日食事だけで葉酸を必要摂取量摂ることは正直なところ難しいというのが事実です。

厚生労働省が推奨している妊婦の葉酸摂取量は1日400μgです。
葉酸を多く含む食品をあげると、野菜であればほうれん草2株60gで126μg、枝豆80gで141μg、アスパラガス3本60gで114μg、ブロッコリー3房で152μgです。

こんなにも多くの葉酸を食事から摂るのは難しいので、ぜひ葉酸サプリを摂取して葉酸不足にならないように注意してくださいね!

【参考ページ】葉酸サプリの失敗しない選び方!徹底的に妊婦目線に立ちました